核融合を動力とした空飛ぶホテル「スカイクルーズ」
アルガイリ氏が考案した飛行ホテル「スカイクルーズ」には、5000人もの人が搭乗し、数年間空に滞在できます。
機内にはレストランやバー、映画館、劇場、ゲームセンターなどの施設があり、さまざまなエンターテインメントを楽しめるようです。
また長期間滞在するのに欠かせない医療施設や、美しい景色を楽しめる円盤状の展望台もあります。
さらに結婚式会場も用意され、絶景の中で人生最高の日を迎えることもできるでしょう。
では、この巨大ホテルはどのようにして空に浮かび続けるのでしょうか?
アルガイリ氏は動力として、ラピュタの巨大飛行石の代わりに、二酸化炭素を排出しない「核融合発電」を提案しています。
核融合発電は二酸化炭素を排出しない次世代のエネルギー源として注目されていますが、現状では実現していません。
それは核融合を行うには膨大なエネルギーが必要なためです。
現状核融合発電では「核融合に必要なエネルギー > 核融合で発生するエネルギー」となってしまうため、この関係を安定して逆転させなければ利用できません。
「2030年代には安定した核融合運転が可能になる」という考えもあるため、現代版ラピュタの動力は、核融合発電の利用を想定しているようです。
そしてアルガイリ氏は、スカイクルーズが核融合を動力として、20基の電気エンジンと人工知能の飛行制御によって空を飛び続けることが可能だと考えています。
ちなみに公開された動画には、賞賛だけでなく、皮肉めいたツッコミも集まっているようです。
「スカイクルーズが離陸するには、ありえないほど巨大な滑走路が必要になる」
「スカイクルーズはきっと空を飛ぶだろう。物理学や空気力学が存在しなければ!」
「タイタニック(沈没した巨大客船)とヒンデンブルク(爆発事故を起こした大型硬式飛行船)を組み合わせて、その中に原子炉を突っ込んだようなものだ」
このようにスカイクルーズは、荒唐無稽なアルガイリ氏による「僕の考えた最強飛行機」でしかありませんが、ハイクオリティな映像作品のおかげで、いずれ実現されそうな気がしてしまいます。
少なくともSFのモチーフとしては、とてもワクワクさせられる優れたデザインでしょう。