氷河サンプルから968種の微生物を発見!うち98%が新種
研究チームは、2016年から2020年にかけて、チベット高原の21カ所から氷河サンプルを採取し、中に閉じ込められた微生物のDNA解析を行いました。
氷河の中の微生物群のゲノム配列を決定して、データベースにする研究は今回が初めてです。
このデータベースは「チベット氷河ゲノムカタログ(TG2G)」と命名されています。
そして調査の結果、チベット高原の氷河サンプルから968種の微生物が発見されました。
その大部分は細菌が占めていますが、他に古細菌や真菌も見つかっています。
(細菌と古細菌は、細胞核を持たない”原核生物”に分類され、真菌は、細胞小器官を持つ”真核生物”で、キノコやカビを指します)
さらに、この968種のうち、実に98%が未記載の新種であることがわかりました。
一方で、これらの微生物がどの時代のものであるかはわかっていません。
チームは、先行研究などの知見から、最大で1万〜1万5000年の間、氷河の中に閉じ込められていたものと見ています。
では、今回見つかった微生物群は、人類やその他の動植物に対し、潜在的な危険性を持っているのでしょうか?