ただ座って思考を巡らす時間は、思っていたより楽しい!
多くの人は、ただ座ってぼーっと考えごとをする時間を積極的に取ろうとはしません。
これは、「ぼーっとして過ごすよりも、スマホで何かしら調べごとをした方が有用」という評価の表れです。
では、実際に思考を巡らすだけの時間は無駄でつまらないものなのでしょうか?
研究チームは、この点を調査するため、日本とイギリスの大学生259名を対象に、いくつかの実験を行いました。
最初の実験では、まず「20分間ひとりで座って考え事をする」ことについて、どれほど楽しめるか予測してもらいました。
この20分間では、読書や散歩、スマホを見ること、仮眠をとることなどが一切禁止されます。
ただ座ってぼーっと思考を巡らすことだけが許されているのです。
次に参加者たちは、実際に20分間座って考え事をしてもらい、その後、この20分間をどれほど楽しめたか評価してもらいました。
その結果、ほとんどの参加者が、実験前の予測よりも実験後の評価を高めました。
つまり人々は、自分が予測していたよりも、ぼーっと過ごす時間を楽しめていたのです。
またこの結果は、環境や継続時間には左右されないことも分かりました。
誰もいない広い会議室でも、暗くて狭いテントの中でも、実験の時間が3分でも20分でも、参加者たちは思考を巡らすだけの時間を「思ったより楽しい」と感じたのです。
では、「考えるだけの時間」と「スマホで情報をチェックする時間」を比較すると、楽しさにはどれほどの違いがあるのでしょうか?