世界最長クラスの恐竜の足跡が水底から出現!
テキサス州は今夏、激しい猛暑に見舞われ、数百万人の住民に猛暑警報が発令されていました。
アメリカの気象モニターによると、先週の時点で、同州の60%以上が最も深刻度の高い熱波と干ばつに襲われていたという。
それに伴い、ダイナソーバレー州立公園を流れるパルキシ川がほぼ完全に干上がるという事態に陥りました。
しかし幸か不幸か、川の水がなくなったことで、底に眠っていた恐竜の足跡が地上に姿を現したのです。
通常の気象条件下では、恐竜の足跡は川のど真ん中の水底にあり、土砂で埋まって見えません。
同園の広報担当であるステファニー・サリナス・ガルシア(Stephanie Salinas Garcia)氏によると、今回見つかった足跡の大半は、アクロカントサウルスのものだったという。
アクロカントサウルスは、約1億1600万〜1億1000万年前に生息した肉食恐竜で、ティラノサウルス、カルカロドントサウルス、ギガノトサウルスらと肩を並べる、北米最大級の獣脚類です。
大人の個体で、全長11〜12メートル、体高4.6メートル、体重は約7トンに達すると推定されています。
長い背びれが特徴的で、名前のアクロカントサウルスも「高い隆起を持つトカゲ」の意から付けられました。
またこの他に、「サウロポセイドン(Sauroposeidon)」という、首長の大型草食恐竜の足跡も見つかりました。
こちらは、アクロカントサウルスより更に大きく、全長28メートル、体重50トンに達したと言われています。
世界最大級の恐竜の一つで、学名はギリシア神話に登場する海の神・ポセイドンに由来します。
体もさることながら、その足跡も巨大で、踵(かかと)から爪先にかけて30センチ以上もあったとのことです。
同園によると、白亜紀当時のテキサス州は海辺の近くにあり、炭酸カルシウムを含む甲殻類の殻が大量に沈殿したため、海岸近くの泥土が足跡を保存するのに最適な粘度になったといいます。
しかし、今後テキサスでは降雨が予想されているため、これらの足跡はすぐにも川の底に沈んでしまうとのこと。
ガルシア氏は「現在だけでなく、未来の世代のためにも、今回見つかった1億年前の足跡を保護し、守り続けていきたい」と述べています。
同園は、Facebook Watchの公式ページにて、足跡の映像を公開しています。