記事共有による過信で「リスクの高い決断」をしやすくなる?
さらにチームは、Facebookを利用している300人の学生を対象に、”How to Start Investing: A Guide for Beginners(投資の始め方:初心者のためのガイド)”というオンラインのニュース記事を読んでもらいました。
そして、そのニュース記事を自身のFacebook上で共有するグループと、共有しないグループに分類します。
次に、それと無関係と思われるタスクとして、ロボットアドバイザーによる「退職計画シミュレーション」を実施。
学生には、仮想の退職金1万ドルを与え、「株式」と「債券」に自由に分配して投資するよう指示しました。
その際、ロボットアドバイザーは学生に対し、株式に多く資金を分配することは「より積極的な投資」、債券に多く分配することは「より保守的な投資」であることを伝え、年齢に応じてカスタマイズした投資推奨額を提示します。
※ 債券は、発行〜債務返済まで保有していれば、元本は戻ってくるのでリスクは低いが、利子がベースなので、利益は限定的となる。
株式は、常に価格が上下し、売買益が利益の中心となるので、大きく儲けることがあるが、元本を失う可能性もあり、リスクは大きい。
その結果、ニュース記事を共有したグループは、共有しなかったグループに比べ、より大きな投資リスクを負っていました。
記事を共有した学生は、ロボットアドバイザーが推奨するリスクよりも大きなリスクを取る可能性が2倍も高かったのです。
これについて、ウォード氏は「人は、あるトピックについて自分の知識が豊富だと感じると、よりリスクの高い決定を下しやすくなる」と指摘しました。
このように、ニュース記事の共有は、その人自身の気持ちを大きくする危険性があるようです。
SNSでのニュース共有の際は、少し注意が必要かもしれません。