リズム感は親から子へ「そこそこ」遺伝する
なぜリズム遺伝子に、複数の能力や体内時計にかかわる遺伝子が含まれているのか?
研究者たちは、その答えを、リズム感がさまざまな脳の機能を間借りすることで得られているからだと考えています。
音楽に合わせて正確に身体を動かす能力は、一見すると単純なもののように思えますが、実際には、聴覚などの感覚能力、タイミングに間に合わせるように素早く情報を処理する高度な脳の処理能力、脳が伝えた命令を正確に実行する筋肉を介した運動能力など、実に多彩な能力を必要とします。
今回の研究では、人類がなぜリズム感を獲得するような進化をしたのかは明らかにはされませんでしたが、以前に行われた別の研究では、音楽的才能がグループを結束させ生存に有利に働いたことが示されています。
あるいは、優れたリズム感をもつ人たちは、関連する身体機能や認知機能の遺伝子が優秀であり、結果的に生き残る率が高くなったり、異性からモテた可能性も否定できません。
また研究ではリズム感の遺伝率が評価されており、おおよそ13~16%と中程度の遺伝率であることが判明します。
これまでの研究では、音楽的才能の遺伝率が極めて高いことが報告されていますが、リズム感もある程度の遺伝率で子孫に継承されるようです。
研究者たちは音楽的能力の遺伝的基盤を解明することができれば将来ていに、特定の遺伝的特徴が音楽的能力にどのように影響を与えるかを特定できると述べています。