完全な使い捨て電子機器の開発を目指す
電子機器に含まれる重金属やその他の物質は、適切に処理しないと環境に悪影響を与えます。
この問題は特に「使い切り」「使い捨て」の小型・ウェアラブル電子機器を開発する上で大きな課題となっています。
使い終わったからといって、電子機器をそのまま「燃えるゴミ」として投げ捨てるわけにはいかないのです。
では、環境問題を気にせず「使い捨て」できる電子機器を開発することは可能でしょうか?
チョイ氏ら研究チームは、その第一歩として「安価で廃棄が容易な回路基板」を試作することにしました。
多くの小型電子機器には、ガラス繊維や樹脂、金属配線でできた電子回路基板「プリント基板」が搭載されています。
研究チームは、この回路基板を紙などの燃やせる素材で作ろうとしたのです。
現在でも紙製の回路基板は存在しています。
それでも、それらは特殊な紙が必要だったり、従来の金属製回路部品を紙に取り付けただけだったりと、中途半端なものです。
そこでチョイ氏らは、全ての電子回路部品が統合されており、なおかつ、そのまま燃やせる回路基板を開発することにしました。