紙製の「燃やせる」回路基板が開発される
研究チームは、紙製の回路基板を新しく設計しました。
まず蝋を使って反転した回路を紙の上に印刷。
この紙をオーブンで熱すると、蝋が紙に染み込んでいきます。
その後、紙に半導電性インクと導電性インクを塗布すると、蝋が染み込んでいない領域だけにインクが染み込み回路が形成されます。
その上に導電性の金属部品を印刷。さらに上からゲル状の電解質を塗布して完成させました。
実験では、抵抗器やコンデンサ、トランジスタが搭載された新しい回路基板がテストされ、正しく機能することが確認されました。
この回路基板は、抵抗器などの部品を搭載した後でも薄くて柔軟性があり、「まるで紙のよう」でした。
また回路基板だけの状態で火をつけると、回路ごとすぐに燃えて灰になることも確認できました。
研究チームは、この紙の回路基板は分解されやすいため、不要になったら「そのまま放置して劣化させることも可能」だと述べています。
もちろん、この安価で燃やせる回路基板を搭載したとしても、現段階では電子機器をそのまま燃やしたり捨てたりはできません。
それでも他の部品も同様に環境に優しいものへと変換していくことで、将来的には完全に使い捨て可能な小型電子機器を開発できるかもしれません。
研究チームの次の課題は、生分解性のない金属を生分解性のあるものに置き換えることだと語ります。