トレイルは利用者の望みを反映している
トレイルのデザインは、まず利用者の望みを理解することから始まります。
ハイキングやトレッキングに来たトレイル利用者たちは、しっかりと舗装された道や完璧に管理された自然の中を歩きたいのではありません。
人間の手が加わっていない自然の中を歩きたいのです。
つまり、トレイルデザインの1つのポイントは、「手つかずの自然の中にいるよう感じさせる」ことです。
そのためにトレイルの形状は、あえて真っすぐにせず、枝や水路、雷などに見られる自然界のパターンを模倣して、曲がりくねった形に作られることが多いようです。
またトレイルの至る所で大岩や木が接するようにもします。
次に大切なのは、「利用者が訪れたい場所」と「訪れてはいけない場所」を見極めることです。
利用者が訪れるべきでないのは、危険地帯、私有地、環境が崩れやすい場所などです。
これらのスポットはトレイルのルートから外さなければいけません。
利用者が訪れたいのは、見晴らしの良い場所、滝、湖などであり、これらのスポットをトレイルで繋ぐと利用者の満足度が高まります。
逆に良いスポットを逃してしまうと、利用者がトレイルを無視して自分で新しい道を切り開こうとするかもしれず、大変危険です。
では、これら利用者の気持ちを適用するなら、優れたトレイルが完成するのでしょうか?
実は、デザイナーが最も気を遣うのは人間ではなく「水」だと言われています。