冬虫夏草の最良のパートナー(宿主)を探す実験
通常、冬虫夏草の人工栽培には玄米などの穀物が利用されます。
しかし研究チームは、穀物に寄生した冬虫夏草から得られるコルジセピンの量が非常に少ないことに気づきました。
彼らはその原因が、穀物に含まれるタンパク質量の少なさにあると考えました。
そこでコオロギ、カイコのサナギ、ミルワーム、バッタ、コガネムシの幼虫、カブトムシを用いて、自分たちの推測が正しいか確かめることにしました。
今回の実験に利用された冬虫夏草は、チョウ目の幼虫やサナギに寄生するサナギタケ(Cordyceps militaris)であり、上記のそれぞれの昆虫を宿主として2カ月間栽培されました。
その結果、冬虫夏草はミルワームとカイコのサナギで最も大きく成長しました。
対照的に、コガネムシの幼虫とバッタは最も成長しませんでした。
ところが、「成長レベルが高ければ、コルジセピンの量も多い」というわけではないようです。
実際、最高レベルのコルジセピンが得られたのは、成長レベルがほどほどだったカブトムシだったのです。
カブトムシを宿主にした冬虫夏草は、玄米を宿主にした冬虫夏草の約100倍のコルジセピンを生産していました。