現代社会版モンスターハンターの装備!?「ホタメット」
人気アクションゲーム「モンスターハンター」では、キャラクターの装備を整えて、さまざまな特徴をもつ巨大生物を狩ります。
その醍醐味は、狩った巨大生物の素材から、その特性や見た目を受け継ぐ武器や防具を作れることにあるでしょう。
例えば、帯電するモンスターからは電気属性の武器が作れ、巨大な甲殻類モンスターからは衝撃に強い堅牢な防具が作れるのです。
このような「獲物の肉を食べ、その素材を自身の装備とする」狩人的な生き方に憧れる人は多いでしょう。
しかし、猟師やまたぎといった過酷な職業に身を置く以外、現代においてそれを実践するのは難しいはずです。
では、私たちでも狩人的な雰囲気を味わえる、いわば「現代社会版モンスターハンター」のようなシステムはあるでしょうか?
甲子化学工業株式会社のプロジェクトは、もしかしたらそれに該当するかもしれません。
彼らはホタテの貝殻を原材料にした堅牢なヘルメット「ホタメット」を開発・販売しているのです。
ホタテは人間が大好きな水産物の1つであり、これまでに膨大な数のホタテが食べられてきました。
北海道の猿払村(さるふつむら)は、ホタテ水揚げ量日本一に何度も輝く、国内有数の生産地です。
ところが、ホタテを加工する際に廃棄貝殻が年間4万トンも発生。
放置するなら土壌汚染の原因になりえるため、地域の社会課題として扱われてきました。
こうした課題を解決するため、猿払村と甲子化学工業は、ホタテの廃棄貝殻を細かく粉砕して素材化した「バイオプラスチック」から、ヘルメットを作ることにしたのです。
「頑丈さで外敵から身を守る」という貝殻の特性を、人間が身を守るための装備に組み込むわけですね。
また「ホタメット」のデザインには、生物模倣の考えに基づき、貝殻特有のリブ構造(凹凸加工)が採用されています。
これら貝殻の特性により、重量400gのホタメット(一般的な安全ヘルメットも400g)は、従来品よりも強度が33%向上しました。
見た目も特性もまさに「ホタテの防具」であり、身に着けるならハンターのような気分が味わえるかもしれません。
ホタメットはホタテを扱う漁師たちだけでなく、防災用品として一般人も利用できます。
現在、応援購入サイト「Makuake」にて先行予約販売が行われています。
いつも食べているホタテを防護具として身にまといたい「現代社会版ハンター」の皆さん、ぜひチェックしてみてください。