豪華列車「オリエント急行」
「オリエント急行」または「オリエント エクスプレス」の名で知られる豪華列車は、1883年に開通したヨーロッパ初の大陸横断急行列車でした。
国境を越える寝台車として画期的であり、豪華な内装や行き届いたサービスが特徴的でした。
1930年代の最盛期では王族や富豪が愛用しており、高い人気から小説や映画などさまざまな作品の題材として扱われました。
例えば、1934年のアガサ・クリスティ作「オリエント急行殺人事件」などが有名です。
このオリエント急行を所持する「国際寝台車会社」を設立したのは、ベルギーの実業家ジョルジュ・ナゲルマケールス氏でした。
彼は1867年、ヨーロッパとアメリカを結ぶ大西洋横断船に乗り込み、アメリカ旅行を楽しみました。
船内にはレストラン、ラウンジ、図書館、娯楽施設が備わっており、豊かで豪華な内装にナゲルマケールス氏の心は惹かれました。
さらにアメリカでは、当時ヨーロッパにはなかった寝台車と出会うことに。
こうした経験が、今では伝説的な「オリエント急行」の発足に繋がったようです。
オリジナルの「オリエント急行」は時代と共にさまざまな変化を経験し、2009年で最後の運行を終えました。(現在、オリエント急行にちなんだ列車は他にも存在します)
ところが最近、オリエント急行に復活の兆しが現れました。
フランスのホテルチェーン「アコー(Accor)」がオリエント急行ブランドの株式の50%を購入し、2025年に豪華列車「オリエント急行」を復活させる予定だと発表したのです。
オリエント急行の復活劇はこれだけではありません。
実業家ジョルジュ・ナゲルマケールス氏が感銘を受けた船旅を「海のオリエント急行」として新たに発足する予定なのです。