スピード違反を防ぐ「インテリジェント・スピード・アシスト(ISA)」とは?
インテリジェント・スピード・アシスト(以下、ISA)とは、ドライバーが既定の速度制限を遵守できるよう導入された自動車テクノロジーです。
車載GNSS(GPSなど)や高精度地図データ、さらには道路標識をカメラで認識する機能を組み合わせて、リアルタイムで制限速度を把握。
現在の走行速度と照らし合わせてドライバーにフィードバックを送る仕組みです。

具体的には、まずカメラ映像やデジタルマップを解析して「この道路は時速何キロまでか」を車載エンジン制御ユニット(ECU)が判断し、速度情報を常時モニタリングします。
そして許容速度を超えそうになると、視覚や聴覚によるアラートでドライバーの注意を喚起します。
さらにアクセルペダルに抵抗を与える方法によって減速を促すこともあります。
最も強力な機能としては、エンジン出力を抑制して速度を物理的に制限するというもの。
これにより、意図してアクセルを踏み込んでも速度が上がらなくなります。
この技術の最大の利点は、まず速度超過が要因となる衝突事故を30%、死亡事故を約20%減少させる可能性があるということです。
また一定速度を維持することで燃費効率の向上やCO₂排出量の削減といった環境面のメリットも期待できます。
一方で、標識認識の誤動作やGNSS情報の誤差によって誤警告や誤作動が発生するリスクがあり、ドライバーが過度な介入と感じた場合にはシステムをオフにしてしまうおそれがあります。
既存車両への後付けに関する法整備が十分でない国や地域では普及に時間を要する可能性もあるでしょう。
それでも、このISAは近年、急速な広がりを見せています。