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スピード違反を強制的に防ぐテクノロジーとは!? / Credit:Canva
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【スピード違反が事実上不可能に!?】”あるテクノロジー”の導入がEUと米国で進む

2025.05.07 06:30:25 Wednesday

自動車のスピード違反による事故は後を絶ちません。

2022年には全米で約1万2000人がスピード違反に関連した事故で命を失っています。

こうした悲惨な事故を減らすために、車両側で制限速度を強制的に守らせる新たなテクノロジー「インテリジェント・スピード・アシスト(ISA)」が注目を集めています。

欧州連合(EU)では新車への搭載が義務化されつつあり、米国各州でも立法・導入の動きが見られています。

では、ISAとはいったいどんなテクノロジーなのでしょうか。

この技術の導入を取り巻く各国の動きを解説します。

Briefing: Intelligent Speed Assistance (ISA) https://etsc.eu/briefing-intelligent-speed-assistance-isa/?utm_source=chatgpt.com Intelligent speed assistance (ISA) set to become mandatory across Europe https://road-safety-charter.ec.europa.eu/resources-knowledge/media-and-press/intelligent-speed-assistance-isa-set-become-mandatory-across Virginia will use technology to slow chronic speeders’ cars—and other states are rushing to join in https://www.fastcompany.com/91323835/virginia-will-use-technology-to-slow-chronic-speeders-cars-and-other-states-are-rushing-to-join-in

スピード違反を防ぐ「インテリジェント・スピード・アシスト(ISA)」とは?

インテリジェント・スピード・アシスト(以下、ISA)とは、ドライバーが既定の速度制限を遵守できるよう導入された自動車テクノロジーです。

車載GNSS(GPSなど)や高精度地図データ、さらには道路標識をカメラで認識する機能を組み合わせて、リアルタイムで制限速度を把握。

現在の走行速度と照らし合わせてドライバーにフィードバックを送る仕組みです。

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スピード違反を防ぐインテリジェント・スピード・アシスト(ISA) / Credit:Canva

具体的には、まずカメラ映像やデジタルマップを解析して「この道路は時速何キロまでか」を車載エンジン制御ユニット(ECU)が判断し、速度情報を常時モニタリングします。

そして許容速度を超えそうになると、視覚や聴覚によるアラートでドライバーの注意を喚起します。

さらにアクセルペダルに抵抗を与える方法によって減速を促すこともあります。

最も強力な機能としては、エンジン出力を抑制して速度を物理的に制限するというもの。

これにより、意図してアクセルを踏み込んでも速度が上がらなくなります。

この技術の最大の利点は、まず速度超過が要因となる衝突事故を30%、死亡事故を約20%減少させる可能性があるということです。

また一定速度を維持することで燃費効率の向上やCO₂排出量の削減といった環境面のメリットも期待できます。

一方で、標識認識の誤動作やGNSS情報の誤差によって誤警告や誤作動が発生するリスクがあり、ドライバーが過度な介入と感じた場合にはシステムをオフにしてしまうおそれがあります。

既存車両への後付けに関する法整備が十分でない国や地域では普及に時間を要する可能性もあるでしょう。

それでも、このISAは近年、急速な広がりを見せています。

次ページ「制限速度を守らせるテクノロジー」がEUと米国に導入される

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