特性が変化する「液体窓」
特性が変化する「液体窓」 / Credit:Raphael Kay(University of Toronto)_‘Liquid windows’ inspired by squid skin could help buildings react to changing environments, save on energy costs(2023)
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イカに触発された「液体窓」は気分や季節に合わせて色と特性が変化できる

2023.02.08 Wednesday

生きているイカの皮膚は様々な模様や色に変化します。

カナダ・トロント大学(University of Toronto)材料科学工学科に所属するラファエル・ケイ氏ら研究チームは、イカの皮膚に触発された「液体窓」を開発しました。

様々な液体を出し入れできるため、窓の色を自由自在に変化させられます。

また季節や目的に応じて赤外線や可視光線を通過させたりカットしたりできるため、冷暖房や照明の電気使用量を削減できます。

研究の詳細は、2023年1月30日付の科学誌『PANS』に掲載されました。

‘Liquid windows’ inspired by squid skin could help buildings react to changing environments, save on energy costs https://news.engineering.utoronto.ca/liquid-windows-inspired-by-squid-skin-could-help-buildings-react-to-changing-environments-save-on-energy-costs/
Multilayered optofluidics for sustainable buildings https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2210351120

従来の窓は見た目と特性において柔軟性に欠ける

カラフルな窓に憧れる人も
カラフルな窓に憧れる人も / Credit:Canva

建物のイメージは、窓の数や形、色によって大きく変化します。

「マイホームの窓をカラフルにしてみたい」という人もいることでしょう。

しかし、一度カラフルな窓を導入してしまうと、簡単には元の透明な窓に戻せません

同様のポイントは、窓の特性にも当てはまります。

例えば従来の透明な窓は、冬に活躍します。

可視線と赤外線の両方を通過させるため、部屋の中を明るくして温めるのに役立つのです。

一方夏には、可視光線だけを取り入れ、赤外線による熱は遮断したいもの。

既存の「赤外線をカットする窓」を利用すれば、このニーズも満たすことができます。

部屋を明るくしつつ、室内に入る熱だけコントロールしたい
部屋を明るくしつつ、室内に入る熱だけコントロールしたい / Credit:Canva

しかし、「冬と夏で異なるニーズ」を両方満たせる窓は存在しません。

従来の窓は見た目においても、特性においても、柔軟性に欠けるのです。

そこでケイ氏ら研究チームは、目的に応じて色や特性を変化させられる新しい窓を開発することにしました。

次ページ「液体窓」はイカのように色や特性を変化させる

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