JWSTが発見した6つの銀河
JWSTが発見した6つの銀河 / Credit:NASA / ESA / CSA / I. Labbe_‘We just discovered the impossible’: how giant baby galaxies are shaking up our understanding of the early Universe(2023)
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ジェイムズ・ウェッブ望遠鏡の性能が凄すぎて「ビッグバン宇宙論」が修正を迫られる (2/3)

2023.02.24 Friday

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発見されるのは「小さな赤ちゃん銀河」のはず……

広く受け入れられている宇宙論からすると、JWSTが130億光年以上の距離から発見するのは「とても小さな赤ちゃん銀河」のはずでした。

なぜなら、巨大な銀河の形成と成長には膨大な時間がかかると考えられているからです。

局所銀河群(天の川銀河が所属する銀河群)の銀河たちと天の川銀河(右から2番目)のサイズ比較
局所銀河群(天の川銀河が所属する銀河群)の銀河たちと天の川銀河(右から2番目)のサイズ比較 / Credit:SkyFlubbler(Wikipedia)_Milky Way

現在の宇宙論(ビッグバン理論)は、宇宙がビッグバンという大爆発から始まり、高温高密度の「火の玉」状態から膨張とともに冷却され、ごく初期の宇宙に水素とヘリウムという元素をもたらしたと考えられています。

これらが徐々に星を形成していき、それが銀河を形成していきます。

最初の銀河がいつ生まれたかについては現在わかっていません。しかしおおよそビッグバンから10億~20億年後には初期の銀河が十分に成熟し、互いに合併などを繰り返して矮小銀河を形成したと考えられています。

銀河はこのプロセスを繰り返すことで徐々に巨大化していったと考えられるのです。

例えば、天の川銀河の形成が始まったのは約130億年前(ビッグバンから約8億年後)とされています。

それが毎年約1~2個の新しい星を形成し、他の矮小銀河を取り込むことで、現在の太陽質量の1000億倍というサイズ(暗黒物質を除いた質量)までゆっくり成長したと考えられているのです。

そのため、ビッグバン後わずか数億年の段階で巨大な銀河が存在するはずはないのです。

ところが、今回発見された銀河は、131億光年という距離にありながら、その質量が天の川銀河と同等の太陽質量の1000億倍に達していました。

しかもこのような大質量銀河を、イヴォ氏らはその後、計6つも発見したのです。

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