圧力・動き・温度を伝えるリモートキスマシン
科学技術の発展は、ある意味で世界の距離を縮めていったといえます。
私たちは、遠く離れた場所の人と、会話をするだけでなく、ゲームを楽しんだり、一緒に動画を見たりすることも可能になりました。
しかし、こうした技術はまだ人の温もりや感触を伝えることはできていません。
コロナ禍で家族や恋人であっても接触を制限される状況が増えたこともあり、最近では特に遠隔コミュニケーションを支援するデバイスの開発やアイデアが加速してきました。
例えば、離れた相手と抱き合える首掛けクッションなどです。
この製品はコロナの影響で母親との面会を果たせないまま死に別れてしまった開発者が、離れていても抱きしめる感触を伝えたいと開発したものだそうです。
これは開発者の事情も含め、理解できるデバイスでしょう。
しかし今回、遠距離恋愛をする恋人たちに向けてもっと狂気に満ちた遠隔コミュニケーションデバイスが開発されました。
それが離れた相手とキスできる「リモートキスマシン」です。
開発者のジョンリー氏はガールフレンドと7年間も遠距離恋愛の状態にあり、その触れ合えない寂しさから、このデバイスを思いついたようです。
デバイスにはシリコン素材の唇があり、装着したスマホで相手の顔を見ながらキスできるようになっています。
この唇は、キスをする人の唇の圧力や動き、温度をシミュレートし、遠く離れた相手のデバイスへと送信してくれます。
これにより、離れ離れでも直接キスしているような気持ちを味わえるというのです。
ちなみに「音」も伝わるので、恋人との臨場感あふれるキスが再現できるかもしれません。
動画では、リモートキスマシンを使用しているカップルが恥ずかしそうにしながらも、喜んでいる様子が映っています。
とはいえ、ほとんどの人がこのデバイスを見て「気持ち悪い」と感じたようです。
パートナーにリモートキスマシンの使用を提案するのは、かなりハードルが高いことだと言えるでしょう。
対照的にごく一部の人は、「舌はいつ実装されるのか?」と興奮気味にアップデートを待ち望んでいるようです。
また開発チームによると、「一夫一婦制の関係を促進させるため、リモートキスマシンは一度に送信者1人と受信者1人しかペアリングできず、両者の同意が必要」とのこと。
基本的には、本当に愛し合った2人が利用する設計となっているようです。
またジョンリー氏が述べるように、「口腔感染症に悩んでいる人でも愛し合う人とキスできる」というメリットもあります。
しかし、こうした主張に反するかのように、リモートキスマシンには、デバイスを所持している人たちからランダムなキスをダウンロードして体験する「キス スクエア」機能も備わっています。
この機能に希望を抱く人は多いでしょう。
もしかしたら「キス スクエア」を利用した新たな出会いがあるかもしれませんね。
ただし、登録者の中には名前や性別を偽る人もいるでしょう。
そうなると、実は「男性同士でキスしていた」なんて事件も生じるのかもしれません。
ちなみに中国オンラインモール「淘宝網(タオバオ)」では、リモートキスマシンが1台約260元(約5200円)で販売されており、月に100台以上も売れているのだとか。
カップルでリモートキスを楽しみたい人たちは探してみると良いでしょう。