一日ずっと潜水しているキタゾウアザラシはいつ寝ているのか?
研究チームは過去25年以上にわたり、カリフォルニア州のアニョ・ヌエボ保護区に生息するキタゾウアザラシの追跡調査を行ってきました。
アニョ・ヌエボには毎年、繁殖シーズンになると1万頭を超える個体が上陸します。
陸に上がったキタゾウアザラシたちは、1日に平均10時間以上も爆睡するのです。
しかしそれ以外の8カ月間は海に戻り、巨体を維持するために24時間体制で餌を探し回っています。
1日のほとんどを潜水に当てており、通常は水深300〜800メートルで狩りをしますが、水深1500メートルまで潜ることも可能です。
そうは言っても哺乳類なので、息継ぎのために水面に上がらなければなりません。
サメやシャチなどの天敵に最も襲われやすくなるのはこのときです。
そのため、キタゾウアザラシは一回約30分の潜水ごとにわずか1〜2分しか水面に浮上しません。
しかし一番の問題は「彼らがいつ睡眠を取っているのか」ということです。
研究主任のダニエル・コスタ(Daniel Costa)氏は「潜水記録を見てみると常に潜水しているので、いつどのように寝ているのかが不明でした」と話します。
そこでチームは、アニョ・ヌエボに集まるキタゾウアザラシを対象とした睡眠調査を実施しました。