人間の食べ物を狙うカモメたち
「トビ(またはトンビ)に食べ物を取られた」という声は、日本でよく聞きます。
トビたちは空から人間が手に持ったり、近くに置いていたりする食べ物を狙っており、急降下して音を立てる間もなく盗んでいくのです。
実際、動画共有サイトには、トビが食べ物を盗む瞬間を記録した動画がたくさんアップロードされています。
イギリスの沿岸地域では、同様の事件がカモメによって引き起こされています。
セグロカモメ(学名:Larus argentatus)は、20世紀半ばにヨーロッパの都市部を本拠地にしており、減少するカモメ全体の総個体数とは対照的に、急速に拡大・繁栄してきました。
彼らは自身の採餌行動を人間の活動パターンに適応させ、より効果的にエサが得ているのです。
これまでの研究により、セグロカモメが「人間が触れていない食べ物」よりも「人間が触れた食べ物」を好むことが分かっています。
今回、グレアム氏ら研究チームは、セグロカモメの採餌行動と認知能力をより深く知るため、イギリスの都市ブライトンの海岸線で、ある実験を行いました。
この実験で用意された「人間の食べ物(エサ)」は、色(青と緑)の異なる「ポテトチップスの袋」であり、人間(実験者)の近くに配置されました。
そして次の3つのケースで、カモメが接近したりエサをつついたりするか調べたのです。
- フリー条件:実験者は座ったまま何もしない
- 青色条件:実験者が青色の袋のポテトチップスを取り出して食べる
- 緑色条件:実験者が緑色の袋のポテトチップスを取り出して食べる