首がないのに18カ月間も生き続けたニワトリ
オルセン夫妻は首を失くしたニワトリがあまりに平然と歩き回るのを見て、「少し様子を見てみよう」と網で囲った農場のポーチに一晩放置してみました。
そして翌朝、ポーチをのぞいてみると、ニワトリは前日と変わらず元気に歩き回っていたのです。
ロイドは屠殺した他のニワトリを町の肉屋に売りに行くついでに、その首のないニワトリも一緒に連れて行きました。
そこでロイドは肉屋の主人に「首がないのに生きたニワトリがいるんだが、信じるかい?」と、ビール代を賭けた遊びをしかけます。
それに対して肉屋の主人は「そんなもんいるわけないだろ」と賭け事に乗りますが、ロイドが持ち出したニワトリを見て唖然としたでしょう。
ロイドの言うとおり、首がないにも関わらず、そのニワトリは生きていたからです。
![画像](https://nazology.kusuguru.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/MikeTheHeadlessChicken.jpg)
この首なしニワトリの話題は瞬く間に町中に広まり、ロイドの元には新聞紙の取材がひっきりなしに訪れました。
また、この噂を聞きつけたホープ・ウェードという見世物小屋の興行主が、ユタ州のソルトレイクシティから500キロ近くも車を飛ばしてロイドの元にやってきます。
彼はロイドに対して「このニワトリを使って、ひとつ金儲けをしようや」と持ち掛けました。
ロイドの方も農場の経営が苦しかったので、「よし、やってみよう」とこの誘いに乗ります。
このとき、ニワトリを「首なしマイク」と名付けたのはウェードでした。
そしてウェードとオルセン夫妻は首なしマイクを連れて、全米の巡業ツアーに出ます。
行く先々で首なしマイクは人々の話題をかっさらいました。
マイクの見世物の入場料は25セントであり、1カ月に約4500ドルの収益を上げたといわれています。
これは当時の価格価値からするとかなりの売れっ子です。
さらに驚くことに、首なしマイクはその後18カ月間も元気に過ごし続けます。
しかしそうは言っても、首のない状態で生き続けるのは無理がありました。
1947年3月、ついにマイクは死んでしまいます。