ノロウイルスワクチンの製品化は可能?
ノロウイルスのワクチン開発は、承認までの長さ、培養の難しさなどが原因で、製品化までかなり時間がかかることが分かりました。
果たしてノロウイルスワクチンの製品化は可能なのでしょうか。
日本では、武田薬品が唯一ノロウイルスの開発を行っていました。
開発コードはHIL-214(以前はTAK-214)で、2021年にはFrazier社にノロウイルスワクチンの開発や販売、販売に関しする提携を行っています。
HIL-214は世界でもっとも開発が進んでいるノロウイルスワクチンで、製品化に大きな期待が寄せられています。
Frazier社の発表によると、現段階では臨床試験第2相後期まで進んでおり、そこではノロウイルスの重症化に効果があると実証されました。
今後、より大規模な第3相臨床試験、政府からの承認が完了すれば製品化は実現します。
ノロウイルスワクチンの製品化は不可能なものではなく、現実味を帯びてきました。
ただし、製品化までの道のりは簡単なものではありません。
実際に、武田薬品がTAK-214の第2相後期の臨床試験を始めたのは2016年ですが、2023年6月現在未だノロウイルスワクチンの製品化は未定です。
今後製品化までは数年単位の年月を必要とすると予測され、私たちがノロウイルスワクチンを接種できるようになるまでは2030年を超えてしまうかもしれません。
より早い製品化が望まれますが、それまでは手洗いなどで地道な予防を続けるようにするしかないでしょう。