なぜ大都市では地下温度が上昇しやすい?
専門家らは数十年前から、都市部の地下で温暖化が起き始めていることに気づいていました。
彼らが「地下の気候変動(Underground Climate Change)」と呼ぶこの現象は主に、ロンドンやニューヨークの他、アムステルダム、イスタンブール、南京、ベルリンなどの大都市で記録されています。
地下の温度が上昇すると、地下水の汚染や熱中症の増加が起こることが懸念されています。
また、土壌が乾燥して収縮を起こすため、地盤が変形したり沈下する恐れもあります。この影響は特にたくさんのインフラが集まる大都市ほど、高いリスクに繋がると予想されます。
というのも地下を温める熱は、地上のビル群や駐車場、地下鉄、都市部を縦横に走る電線、地中のパイプラインなどによって放出されるからです。
しかし、都市部の地下温度上昇と地形変化の関連性については、まだあまり理解されていません。
そこで今回の研究チームは、地下の温度上昇と地盤の変形の関連を調査し、都市の地下ヒートアイランドが土木構造物やインフラストラクチャー(建物の基礎、土留構造物、その他の地下構造物や設備など)の性能に及ぼす、潜在的な危険性について調査を行ったのです。