ADHDの政治家が必要な理由
ここまでADHDにかんするネガティブな情報が続いてきましたが、ADHDの特性は武器になることもあり、しばしば偉人を生み出してきました。
たとえばダヴィンチやアインシュタイン、ピカソ、モーツァルト、ゲーテなどの記録を調べると、ADHDを疑われるようなものが多くみられます。
またアメリカの大統領だったケネディやアップルの創設者として知られるスティーブ・ジョブズ氏もADHDだったと考えられています。
ADHDの注意力不足は、脳内で常に多くの考え事が進行していたり、情報をフィルタリングせずに注目してしまう傾向によるものです。
しかし、これらの特性は反対に考えれば、独自のアイデアを生み出す可能性を高め、どんな情報も新鮮な視点で捉えるという強みにもなります。
ADHDの人がしばしば高い創造性と多角的思考を発揮するのは、注意力が固定されていないからだと言えるでしょう。
また多動性や衝動性は常識にとらわれずに行動したり、常人ならばためらうような計画を実行できるという強みになります。
通常の人はリスクを恐れて大胆な計画を実行できませんが、ADHDの人はドーパミンが枯渇していおり、新規性やスリルを求めて冒険的な行動が行えます。
政治の場では、ADHDの持つ強い公正感受性や妥協しない不寛容さは、折れない信念となり、大きな政治目標の達成に有利に働きます。
歴史上にみられる「信念を曲げずに偉業を成し遂げた政治家」たちの多くが、ひそかにADHDだった可能性は否定できません。
もちろんこれらの利点を全てのADHDの人が持つわけではありません。
ただ人類の進歩は、一般の人々の持続的な努力とADHDの持つ独特の特性が組み合わさることにより、大きく加速してきたと言えるでしょう。