レーザーで「月レゴリス模倣物」を加熱し、タイルを作ることに成功
今回の実験では、このプロジェクトが可能かを確かめるために、ESAが開発した月レゴリスの模倣物「EAC-1A」が用いられました。
月レゴリスはケイ素(Si)や鉄(Fe)の酸化物などで構成されていますが、EAC-1Aは同様の構成で再現されたものです。
ちなみにケイ素の酸化物はガラスの主成分です。
そしてチームは直径45mmのレーザーを使って、EAC-1Aの塵を約1600℃まで加熱して溶かしました。
彼らはまた、1ピースのタイルが直径約20cmの三角形になるようレーザーで描いき、それを連続して作成していきました。
完成したタイルは、上面が融解によってできた緻密なガラス状の層で構成されており、下部の融解していない境界領域では、焼結による薄い層ができていました。
このタイルの強度をテストした結果、焼結した部分はコンクリートに匹敵する強度を持つと判明しました。
この結果は、本物の月レゴリスを溶かして作ったタイルが、月面の道路やロケット着陸パッドとして活躍するかもしれないことを示唆しています。