子供は「退屈」だとカロリー摂取量が79%も増える
実験の結果、全体として、退屈を感じている子供たちは満腹でも95kcal食べたのに対し、ニュートラルな気分の子供たちは59kcalしか食べませんでした。
つまり、満腹状態の4歳の子供は、退屈することで平均79%多くのカロリーを摂取すると分かったのです。
ちなみに、退屈するとカロリー摂取量が多くなる傾向は、子供の性格や親の行動習慣で変化することも分かりました。
一部の子供たちは、アンケート調査から「感情的な性格を持っており、親が食べ物を使って慰める習慣がある」と分かりました。
そしてその子供たちは、ニュートラルな気分の時は21kcalしか食べませんでしたが、退屈すると104kcal摂取しました。
気分が落ち着いているとあまり食べませんが、退屈になることで5倍も多くのカロリーを摂取する傾向があったのです。
こうした結果を見て、ある人は、退屈とニュートラルの感情の摂取カロリーの差が100kcal未満であることから、あまり大きな影響だとは考えないかもしれません。
しかし3~5歳に必要な1日の摂取カロリーが1250~1400kcalであることを考えると、100kcalの差は決して小さくありません。
しかもこれがたった4分間で生じた差であることを考慮すると、1日、1週間、1年を通して積み重なる摂取量の違いは馬鹿にできないでしょう。
そして「退屈な時についつい食べる」傾向が子供の時に形成されてしまうと、人生を通して健康に悪影響を与える可能性が出てきます。
では、このような傾向とどのように戦うことができるでしょうか?
親は子供たちを退屈させないよう頑張る必要があるのでしょうか?
そうではありません。ストーン氏は次のように述べています。
「退屈を経験することは、子供の自意識と創造性を発達させるために重要であるため、それを避けることはお勧めしません。
代わりに、子供は退屈だったとしても、食べ物に頼るべきではないことを学ぶ必要があります。
親は、子供が退屈を感じた時に子供の注意を食べ物から逸らすようにしたり、すぐに食べ物に頼ることができない環境を整えたりすべきです」
親は「退屈そのもの」に対処するのではなく、「子供が食べ物に頼ることが無いよう」サポートしていくべきなのです。
もちろん親でなくとも、これらの点は意識すべきです。
本当に子供たちのことを考えているなら、たとえ善意であっても、「とりあえずお菓子を与えたくなる」気持ちを抑えるべきでしょう。