母親の脳は自分より「わが子」が報酬を得るときに最も活性化すると判明!
母親の脳は自分より「わが子」が報酬を得るときに最も活性化すると判明! / Credit: canva
psychology

母親は自分のことより「わが子」の成功に一番脳が反応する!

2023.11.16 Thursday

母から子への愛情は、自身へ向ける自己愛を超えているようです。

中国・首都師範大学(CNU)の研究で、母親は自らが報酬を得るときよりも、わが子が報酬を得るときの方が、脳の反射速度が上がり、神経反応もより強くなることが明らかになりました。

これは母親が本能的に「自分より子供が得する方が重要である」と考えていることを示唆する結果です。

研究の詳細は、2023年9月13日付で科学雑誌『Social Cognitive and Affective Neuroscience』に掲載されています。

Mothers’ brains show stronger responses when winning for their kids than for themselves, study finds https://www.psypost.org/2023/11/mothers-brains-show-stronger-responses-when-winning-for-their-kids-than-for-themselves-study-finds-214495
Mothers exhibit higher neural activity in gaining rewards for their children than for themselves https://academic.oup.com/scan/article/18/1/nsad048/7272681?login=false

母から子への愛情は「自分が一番」を超えうるか?

における「報酬系(reward system)」は、嬉しい出来事や満足感を得る経験を介して活性化する神経システムです。

報酬系が反応すると、同時に脳内ホルモンの一つである「ドーパミン」が分泌され、私たちの内にやる気や元気の感情を引き起こします。

しかし報酬系にまつわる先行研究は一貫して、私たちの脳は他者のために報酬を得るときよりも、自身のために報酬を得るときの方がより強く速く反応することを示していました。

友達が宝くじに当たったり、同僚が先に昇進するよりも、自分がそうなった方が心理的にも生活面でもメリットが大きいので当然と言えるでしょう。

結局、私たちは自分が可愛いのです。

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Credit: canva

その一方で、脳の反応の速度や強度は、報酬が得られる人との親密さによっても変化することが分かっていました。

例えば、仲のいい親友のために報酬を得ようとすると、まったく見ず知らずの他人のために頑張るときよりも脳の反応が良くなるのです。

とは言っても、自分自身のために頑張るときに比べると脳の反応はどうしても劣ります。

ですが、最も強い絆で結ばれている「母親」と「子供」ではどうでしょう?

皆さんも過去を振り返って、自分に嬉しい出来事があった際、母親が我が事のように喜んでいるのを幾度も目にしてきたはずです。

そこで研究チームは今回、母親がわが子のために報酬を得るときの脳の反応を実験で調べることにしました。

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