「空飛ぶ傘」を開発
「空飛ぶ傘」を開発 / Credit:I Build Stuff(YouTube)_I Built a Flying Umbrella(2024)
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ユーザーが濡れないよう頭上をついてくる「空飛ぶ傘」

2024.02.05 Monday

「雨の中、傘を持ち続ける」のは非常に煩わしいことです。

それなのに、どれだけ技術が進歩しても傘だけは一向に進化しないと感じている人は多いでしょう。

そんな「傘をもっと便利に進化できないか?」という難問に挑戦した人物が登場しました。

彼は、ドローンを応用した「空飛ぶ傘」を開発し、そのプロセスを自身のYouTubeチャンネルで公開したのです。

「空飛ぶ傘」がユーザーの上を浮遊する光景は、今でこそ斬新ですが、もしかしたら近い将来「当たり前」になるかもしれません。

flying umbrella follows people wherever they go to protect them from getting wet in the rain https://www.designboom.com/technology/flying-umbrella-drone-i-build-stuff-01-31-2024/# I Built a Flying Umbrella https://www.youtube.com/watch?v=qNTv5SgM0BM

傘付きドローン「空飛ぶ傘」を開発した発明家

どんなに一般的なアイテムでも、アイデアを生み出して最初に形にした「発明家」は存在するものです。

登場時には不格好で突拍子もない発明品であったとしても、それが後に「日常生活では欠かせないアイテム」へと拡大していく可能性もあるでしょう。

YouTubeチャンネル「I Build Stuffの男性クリエイターは、もしかしたら、そんな最先端を走る発明家の1人かもしれません。

傘を手に持たなくてもよい「空飛ぶ傘」
傘を手に持たなくてもよい「空飛ぶ傘」 / Credit:I Build Stuff(YouTube)_I Built a Flying Umbrella(2024)

彼が今回開発したのは、ドローンを応用した「空飛ぶ傘」です。

ユーザーの上を傘付きドローンが浮遊して追いかけることで、ユーザーは傘を持つことなく雨をしのぐことができます。

しかし、この開発プロセスは、クリエイター1人だけで行っていたこともあり、スムーズには進みませんでした。

プロペラの上下に傘があると飛行できない
プロペラの上下に傘があると飛行できない / Credit:I Build Stuff(YouTube)_I Built a Flying Umbrella(2024)

まず、傘付きドローンの構造からよく考える必要がありました。

単に、「ドローンの上か下に傘を装着する」だけでは、傘がプロペラによる空気の流れを邪魔し、うまく飛行できないのです。

そこでクリエイターは、傘の外側にプロペラを配置できるよう、十字型の長いフレームを持つオリジナルのドローンを設計することにしました。

傘とプロペラが重ならないようオリジナルのフレームを設計
傘とプロペラが重ならないようオリジナルのフレームを設計 / Credit:I Build Stuff(YouTube)_I Built a Flying Umbrella(2024)

何日もかけてオリジナル・フレームの設計作業を終えると、ついに3Dプリンタで形にすることができました。

フレームの素材には、軽くて強い「カーボンファイバー(炭素繊維)」を採用しているため、完成したドローンは、傘を装備しても空を飛べるほど軽くなっています。

オリジナルドローンに傘を装着して完成
オリジナルドローンに傘を装着して完成 / Credit:I Build Stuff(YouTube)_I Built a Flying Umbrella(2024)

また彼は、ドローンが安定してユーザーの上を飛び続けられるように、「GPS」や「モーターの速度調整システム」を導入しています。

そして数カ月もの試行錯誤の末にたどり着いた飛行テストでは、実際に「傘付きドローン」をユーザーの上で浮遊・追従させることに成功しました。

「空飛ぶ傘」の開発に成功。
「空飛ぶ傘」の開発に成功。 / Credit:I Build Stuff(YouTube)_I Built a Flying Umbrella(2024)

実際の動画を見ると、「空飛ぶ傘」が秘めているポテンシャルを感じ取ることができますね。

とはいえ、彼の手にはコントローラーが握られており、現段階で追従にはユーザーの操作が必要なのだとか。

片手で傘を持たない代わりに、両手でコントローラーを握るという結果は本末転倒ではありますが、先を見据えるなら非常に興味深い発明だと言えるでしょう。

今後クリエイターは、この「空飛ぶ傘」にカメラを追加し、コントローラーで操作しなくてもユーザーを自動で追従するよう改良したいと考えています。

現段階ではコントローラーによる操作が必要。ユーザーを自動で追従するシステムの追加を検討中
現段階ではコントローラーによる操作が必要。ユーザーを自動で追従するシステムの追加を検討中 / Credit:I Build Stuff(YouTube)_I Built a Flying Umbrella(2024)

今回の発明品は、あくまで個人レベルのものであり、製品化には程遠いものです。

しかし、そのアイデアと、アイデアを実現させる行動力は素晴らしいものであり、こうした取り組みの積み重ねが、新しい製品の誕生と普及に繋がるはずです。

現時点ではドローンそのものに「連続飛行時間が短い」という制限がありますが、現在話題になっている長寿命バッテリーの実現などにより、物事は加速的に進展していくかもしれません。

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人混みでの使用は難しいかもしれませんが、もしかしたら近い将来、雨の中を歩く人々は「手ぶらなのが当たり前」で、その頭上には「空飛ぶ傘」が追従しているかもしれません。

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