・近年「鼻」を小さく整形したいといった要望が増加
・原因は「自撮り」によって「鼻」が大きく映し出されてしまうことが考えられる
・自撮りのカメラ位置での鼻は、実際よりも30%大きく画面に映し出される
「自撮りの顔」と「鏡に映る顔」が別人であるように感じたことはありませんか?
スマートフォンの普及により一般的となった「自撮り」ですが、自撮り写真は「本当のあなた」ではないと、整形外科医が警鐘を鳴らしています。その主な原因は「鼻」。自撮り写真の「鼻」は、実際のものより30%も大きなサイズで写ってしまうというのです。
https://jamanetwork.com/journals/jamafacialplasticsurgery/article-abstract/2685926?resultClick=1
ラトガース州立大学の整形外科医であるボリス・パスコーバー医師は、スマホの普及後、自撮りで自分の鼻の大きさに気がついたために、鼻を小さくするための手術を望んで病院を訪れる人が増加していることを明かしています。
パスコーバー医師は、この現象の裏で何が起こっているのかをすぐに理解しました。それには、自撮りの「カメラの位置」が大きく関係しています。すなわち、自撮りのカメラ位置は「近すぎる」ため、特にレンズに近い「鼻」が大きく映し出されてしまうというのです。
これを証明するために、パスコーバー医師らの研究チームは「カメラレンズまでの距離」が、どのように人の「顔の写り」に影響しているのかを確かめるための実験を行いました。
その結果、レンズを12インチ(約30センチ)まで顔に近づけると、距離をとって撮影したときと比べて鼻が30%大きく画面に映し出されることがわかりました。下の写真は12インチ(約30センチ)と60インチ(約1.5メートル)を比較したもの。どちらの鼻が「大きい」のかは一目瞭然です。
つまり人々は、自撮りがもつ「遠近法」といった非常にシンプルなトリックに騙されていたのです。近くのものが大きく見えるのは当然のこと。目の前のビルは巨大に感じますが、隣町からビル群を眺めたらどれもほとんど同じ大きさに見えることと同じです。
これ単純明快な現象が、「自撮り」においても起こっていたのです。カメラを少し離すだけで、鼻は元のサイズを取り戻すでしょう。
これまで人類の文化になかった「自撮り」の普及が、思わぬところに影響を与えています。整形外科に駆け込む前に、一度顔からレンズを「離して」自撮りをしてみることをおすすめします。
via: vox / translated & text by なかしー
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