イギリスの世界遺産ストーンヘンジ。その建設目的は「儀式」や「宮殿跡」など様々な説がありますが、いまだ謎に包まれています。しかしそのストーンヘンジに、なんとピタゴラスの定理がピタゴラスの生まれる遥か昔から使用された痕跡があるとして話題になっています。
ピタゴラスの定理(三平方の定理)とは、紀元前500年頃に活躍した古代ギリシアの数学者であるピタゴラスが発見したと言われる、直角三角形の3辺の間に成り立つ定理です。直角三角形の斜辺をa、その他の2辺をb,cとするとa²=b²+c²が成り立つというものです。そしてこの定理を成り立たせる自然数の組み合わせを、ピタゴラス数といいます。例えば、(a,b,c)=(5,4,3,),(13,12,5)などです。
6月21日、探検家のフー・ニューマン氏らは、著作”Megalith: Studies in Stone“でストーン・ヘンジや他の新石器時代の遺跡には複雑な幾何学が用いられていると発表しました。
本の寄稿者で編集者のジョン・マティニウ氏は、「私たちは数千年前の先祖のことを原始人と思うだけかもしれませんが、実際には優れた天文学者でもありました。彼らはピタゴラスが生まれる2000年も前に、ピタゴラスの定理を発見しているのです」と語りました。
発表した内容によると、紀元前2750年頃に建設されたストーン・ヘンジにある4つの砂岩を結ぶと長方形になり、対角線を引いたときにできる三角形の辺の比率が、綺麗なピタゴラス数(5:12:13)になるのです。また、ストーンヘンジ内のウッドヘンジや他の遺跡などでも、ピタゴラスの定理が用いられているとのこと。
今回の発見は、ピタゴラスの定理がピタゴラス以前に利用されていた証拠の1つとなりました。また、遺跡を作成するために高度な幾何学が応用されていたことは、古代人に対する固定観念を払拭するものになるでしょう。
謎に包まれた遺跡であるストーンヘンジですが、この遺跡を建設した人々は、私たちが考えているより遥かに高度な技術を持っていたのかもしれません。
関連記事
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/7370