群れのゾウたちは、アルビノの子ゾウを「仲間外れ」にしない
一般的に、アルビノとして生まれた動物の個体は、自然界で難しい状況に面することになります。
まず、アルビノの症状によって視力が低下します。
メラニン色素が不足すると目の発達が妨げられるため、食物を探したり、獲物を上手く追跡したりするのが難しくなるのです。
また、皮膚や毛の色素が無いということは、自然環境に溶け込むことができず、敵に狙われやすくなるということです。
さらに、アルビノの個体は、しばしば仲間に受け入れてもらえないことがあります。
実際、2015年のチェコ生命科学大学(Czech University of Life Sciences Prague)の研究は、ナマズのアルビノ個体が、同じナマズ集団から村八分にされると報告しています。
では、発見されたアルビノの子ゾウも、同じ問題を抱えているのでしょうか。
「視力が弱い」ことや「目立ちやすい」といった問題を、確かに抱えている可能性があります。
それでも、この子ゾウは、群れの中で仲間外れにされることはなかったようです。
実際、この子ゾウは群れのゾウたちの中で過ごしており、別の子ゾウと一緒に遊ぶ様子が確認されています。
ちなみに、アルビノの子ゾウが発見されたのはこれが初めてではなく、以前に発見されたアルビノの子ゾウも群れの仲間に受け入れられていました。
ポトギーター氏は、「群れの残りの個体は、これら若い個体を保護し、忍耐強く見守っているようだった」とコメントしています。
そして、「これらの極めて稀で、特別な動物を目撃できるのは、いつも光栄なことです」と続けました。
見た目が大きく異なる子ゾウが仲間に受け入れられている様子は、私たちを温かい気持ちにさせてくれますね。
私たちがゾウに感じていた「優しさ」や「結びつきの強さ」は、体の色が異なるゾウに対しても変わらずに示されるものだったのです。