相貌変形視は赤い光で悪化して緑の光で正常化する
今回の研究の中心となったシャラ氏について、症状を改善するヒントが見つかったとCNNが報じています。
シャラ氏の場合、実際の人間の顔を見たときのみ歪みが発生し、二次元的な媒体では普通にみることができます。
そこでシャラ氏の支援者であるキャサリン・モリス氏はある日、光の波長が相貌変形視の発生に関与しているのではないかと疑いました。
モリス氏は長年視覚障害者の学校で働いてきており、視覚障害者たちが感じる光によって、彼らの症状が微妙に変化することを知っていたからです。
モリス氏はさまざまな光の条件で、シャラ氏の症状を確認しました。
すると赤い光を使うとシャラ氏の相貌変形視の症状が激しくなり、逆に緑色の光では歪みが消滅することが明らかになりました。
緑の光のなかで症状が消え去ったことを知ると、シャラ氏は(感動のあまり)赤ん坊のように泣き叫びました。
その後モリス氏は実験結果を活用するために、シャラ氏に視界が緑色になる色付きメガネを送りました。
シャラ氏はそのメガネを使って孫たちと初めて対面すると、孫たちの顔には歪みがなく、普通に見えたと述べています。
シャラ氏は現在、研究者たちと一緒に、相貌変形視を矯正するメガネの開発を行っており、緑色のメガネがシャラ氏だけではなく、他の相貌変形視の患者にも同様の効果があることがわかりました。
なぜ赤色が悪化させ、緑色が治すかを理解できれば、相貌変形視の治療薬開発に大きな一歩となるでしょう。