自律走行マシン「ARRES Prevent」が道路のひび割れを自動で補修する
Robotiz3d社は、イギリスのリヴァプール大学(University of Liverpool)工学部による4年間の研究を経て、2020年にスピンアウトで生まれた企業です。
彼らは道路の穴やひび割れを自律的に検出して補修できるAIマシンのシステムを開発しており、このプロジェクトは2021年からイギリスの産業助成機関である「Innovate UK」の資金提供を受けています。
そして2024年3月6日、イギリスのハードフォードシャー州の路上で自律走行マシン「ARRES Prevent」の最初のテストが行われ、無事成功しました。
このARRES Preventは、搭載されたAIによって、路面の小さな亀裂を発見することができます。
また発見するだけでなく、問題の大きさから作業の優先順位を判断できると言われています。
そして動画で分かるように、マシン下部には自動でひび割れを補修するノズルが備わっており、小さなひび割れ程度であればその場で即座に補修できます。
またARRES Preventには自律走行システムが搭載されており、自律的に道路を走行したり、遠隔地にいるオペレーターの操縦を受けたりできます。
これらの機能は、ARRES Preventが国中の道路を駆け巡り、自動で小さなひび割れを補修できることを意味します。
このマシンとシステムを投入するなら、ひび割れを早期発見・対処が可能になり、大きなひび割れや穴に発展することを防ぐはずです。
今回の試験に携わったハードフォードシャー州議会議員のアンソニー・ブラウン氏は次のように述べています。
「私たちは、この新しい技術のテストを通じて4万個を超えるポッドホール(穴)の修復に取り組んできました。
この最先端のテクノロジーを使用すれば、そもそもポッドホールの形成を防ぐことができるでしょう」
Robotiz3d社の計画では、ARRES Preventよりも大型な「ARRES Ultra」を開発予定であり、このマシンが完成するなら、路面の埋め戻し、仕上げ作業、大規模なひび割れと穴の補修などが可能になると考えられています。
Robotiz3d社はマシンの性能を詳細には公開していませんが、これらの成果からすると、ARRES Preventが正式に投入される日もそう遠くはないかもしれません。
「自律走行するマシンが道路を次々と補修していく」というアイデアは、つい最近まで、私たちが抱く「SF世界のイメージ」の1つでした。
しかしそのような社会の実現は、既に目の前にまで迫っているのかもしれませんね。