アルテミス3に向けた月面歩行テストがアリゾナ砂漠で行われる
NASAが提案している月面探査プログラム全体は、「アルテミス計画」と呼ばれています。
そして現在計画中の「アルテミス3」では、有人月面着陸が実施される予定であり、月の南極付近での活動やデータ収集に向けて、様々な準備が進んでいます。
(アルテミス3計画の実施は2026年9月以降になると発表されています)
この準備には、宇宙飛行士たちが月面での作業を疑似的に行う「演習」も含まれます。
最近、その演習・訓練がアリゾナ砂漠の月面に似た地形で1週間かけて行われました。
この訓練中、宇宙飛行士のチームは、月面での活動を最初から最後までリハーサルしました。
アルテミス3では、宇宙飛行士が月面で科学調査員として働き、地球上の科学チームが彼らをサポートします。
今回の演習では、それら2つのチームの連携も試され、実際に月面で活動した際に、どのようなトラブルや課題が生じるか考慮されました。
そしてこの訓練・演習の終了後に、様々なチームや専門家が集まり、学んだ教訓について話し合ったり、記録したりしました。
これらの教訓は、アルテミス計画の運用や技術開発に適用されていきます。
ちなみに、この訓練・演習は、5回目のフィールドテストであり、これまでに行ってきたテストの中でも、最も本番の月面歩行ミッションに近い演習となっています。
とはいえ、NASAが公開した画像を見ると、いくらか突っ込みたくなるかもしれません。
アリゾナ砂漠で1週間も活動しなければいけないので当然と言えば当然なのですが、宇宙飛行士たちは、半袖の宇宙服を着ており、サングラスもかけています。
そのような特殊な姿だからこそ、青い空の下、アリゾナ砂漠の土を採取している様子は、かなり異質であり、コミカルでもあります。
もちろんこれらが真剣な演習であることには変わりなく、こうしたテストの積み重ねがアルテミス計画を成功へと導くのでしょう。