37年続いた長寿ドラマ『ネイバーズ』を対象に調査
長年続いたテレビ番組や熱心に追いかけていたドラマシリーズが終了すると、ファンは大きな動揺と喪失感を経験することがあります。
日本では「〜ロス」なんていう言葉も使われますよね。
その一方で、長寿番組の放送終了に対し、視聴者が具体的にどのような感情を抱いているのかは学術的にほとんど調査されていません。
そこで研究チームは今回、オーストラリアの人気ドラマシリーズ『ネイバーズ(Neighbours)』の放送終了を機に調査を行いました。
ネイバーズとは、1985年に放送開始したソープオペラ(連続ドラマ)で、ラムゼイ・ストリートという架空の通りに住む人々の生活を描いたフィクション作品です。
主にオーストラリアやイギリスを中心に長年愛され続けていましたが、2022年7月22日をもって37年の歴史に幕を下ろしています。
(ちなみにですが、ネイバーズが2023年9月18日に『Neighbours: A New Chapter』として新シリーズが始まっています)
本調査では、2022年の最終回が放送された直後に、視聴者がどのような感情体験をしたかを調べるオンライン調査を実施しました。
調査に参加する条件は
・シリーズのファンであること
・過去12カ月間に平均して週に一回以上、同シリーズのエピソードを視聴していること
・シリーズの最終回を見ていること
の3つでした。
参加者はFacebookおよびTwitter(現X)への投稿を通じて募集され、最終的に1289名の回答が得られています。
参加者の大半はイギリス(68.04%)とオーストラリア (13.42%)に住んでおり、76.34%が女性、平均年齢は45.12歳でした。
その多くはネイバーズの長年のファンであり、512名がシリーズを放送開始から37年間追い続けていました。
また参加者の90%以上は週に平均5エピソードを視聴していたとのことです。
アンケート調査では、ネイバーズ終了に対する悲しみや怒り、喪失感、キャラクターへの共感度、番組への感謝の程度を評価しました。
例えば、参加者は「ネイバーズが終了したことに腹が立つ」「ネイバーズの放送が恋しい」「ネイバーズが終わったことをまだ認めていない」「大好きなキャラクターと会えなくなることが寂しい」「番組が長く続いたことに感謝している」などの質問項目を評価しています。
では、調査の結果を見てみましょう。