コクのあるカレーを作るポイント
ここまで、カレーをより美味しく感じさせるコクについて見てきました。バランスの取れた五味、適度なとろみと重厚感とともに、重視したいのが複雑に絡み合った「香味成分」だということがわかってきました。
五味とは違い「コク」の受容体はまだはっきりと解明されていません。そのため、現在の科学的な知識でコクのある美味しいカレーを作るには「香り」を使いこなしていくのが最大のポイントのようです。
カレーを美味しくする要素のひとつ「香り」には、香味野菜が元々持っている成分と肉のうま味成分から感じられる香り、さらに過熱した脂肪によって発生する香りが突出することなく絡み合っていることで、何がいいのかわからないけれどいい香り!というスープを作るのはまず大切ということがわかりました。
次に、適度に脂肪のある好みの肉を香ばしく焼いたものと合わせると、香りはより複雑になり、コクを強めることができます。
市販のルーを使う時でも香味野菜の使い方や肉の焼き方などを工夫することで、一段と美味しいカレーにすることができるでしょう。あとは好みで、何を入れたかわからない程度の「かくし味」として果物などの香り成分を加えることで、コク深いオリジナルなカレーを作ってみてください。