「思い込み」が顔を変える
「大人になるにつれて顔が名前に合うように成長する」
この不可思議な現象のメカニズムを説明するのはとても難しい問題です。
しかし研究者たちは、ある一つの仮説を提示しています。
それが「自己成就予言(self-fulfilling prophecy)」という心理プロセスです。
自己成就予言とは「たとえ根拠のない思い込みや信念であっても、それと思い込んでいるうちに本当に実現してしまうこと」を指します。
要するに、自分の名前に込められた意味やステレオタイプ(たとえば、同じ名前を持つ偉人や著名人の性格や功績)を意識的であれ無意識的であれ、自分の中に内面化していくことで、本当にその名前の意味やステレオタイプを表すような外見に近づいていくというのです。
例を挙げるとすれば、「誠」と付けられたら誠実そうな顔立ちになり、「優子」と付けられたな優しそうな柔和な顔つきになるようなものでしょう。
あるいは「信長」と付けられれば野心的な風貌になり、「卑弥呼」と付けられればスピリチュアルな顔立ちになるのかもしれません。
欧米の名前は漢字のような文字ごとの意味はありませんが、基本的にはキリスト教の聖人名に由来して名付けられます。
例えばマイケルという名前は、天使の長ともされるミカエルから来ているため、英語圏の人には天使の美しいイメージや、悪魔と戦う勇ましいイメージを抱かれる可能性があります。
また単に顔立ちが変わるだけでなく、髪型や化粧も含めて、自分の名前に合うようなスタイルを選ぶようになるとも考えられます。
以上を踏まえて、研究主任のヨナト・ズウェブナー(Yonat Zwebner)氏は「私たちの研究は個人的な思い込みがもたらす多大な影響を浮き彫りにし、人は生まれたときに与えられた名前の固定観念に従って成長することを示唆している」と話しました。
もちろんこれは大多数を調べた場合に見られる傾向であり、個々の顔立ちは両親から受け継いだ遺伝子に大部分を左右されるので、名前だけで顔がガラリと変わるなんてことはあり得ないでしょう。
親が子供の将来を想って、カッコいい役者さんや好きなアイドルの名前をつけても同じような顔にはなりません。
ただ名前による長年の思い込みが、顔つきやその人の持つ雰囲気に少なくない影響を与えることは確かかもしれません。
懐疑的な研究結果やな。検証方法に何かしら忖度がありそう。名は体を表すとあるけど、それは体から名前が付けられてるのであって、名前のせいで顔立ちに影響をあるとは思えない。名前の違う双子の顔が同じであるように、顔は遺伝子の影響が大半だから。
あり得るしたら、他人には気付かない部分で親が子供の顔立ちの特徴を掴んで、そこから名前を付けた、とかかな。