実際の研究画像は少しグロいため、AI絵を使用しています
実際の研究画像は少しグロいため、AI絵を使用しています / Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
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解剖せずに体内が見える!塗るだけで「マウスの透明化」に成功! (2/2)

2024.09.12 Thursday

前ページどうして皮膚は「透視」できないのか?

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皮膚の「透明化」に成功!ヒトでも可能か?

チームは最初の検証段階として、薄くスライスした鶏むね肉にタートラジン溶液を染み込ませて、透明になるかを試してみました。

すると、ご覧ください。

下図の左は実験前、右は実験後ですが、右のタートラジンを塗り込んだ方は下に置いた「スタンフォード」の字がしっかりと透けて見えるようになったのです。

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鶏むね肉にタートラジンを塗布した実験 / Credit: Zihao Ou et al., Science(2024)

研究者の説明では、タートラジン溶液を塗ってから数分ほどで透明化が起こったといいます。

では次に、生きたマウスを対象に、一時的に毛を剃った皮膚にタートラジン溶液を塗り込みました。

最初に頭皮で行った実験の結果、タートラジンが皮膚全体に染み込むと、ものの見事に頭皮が透明化し、中が透けて見えるようになったのです。

頭蓋骨の表面を走る血管を皮膚ごしに0.001ミリメートルの解像度で見ることができました。

さらに同じ実験をマウスの腹部でも行っています。

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Credit: Zihao Ou et al., Science(2024)

結果は同様に、わずか数分以内で腹部の透明化が起こり、体内の肝臓や小腸、膀胱といった臓器をはっきりと識別することができたのです。

これは生きたまま内臓の動きを見ることができる点で、生体を傷つけない非侵襲的な医療ツールになると期待されています。

こちらはマウスの腹部を透明化した実際の画像ですが、刺激的な内容のためボカシを入れています。(※ボカシなしはこちらから。)

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Credit: Zihao Ou et al., Science(2024)

洗い流せば元通りに!

さらに重要なポイントは、マウスの皮膚を水で洗い流せば、皮膚の状態が元通りになったことです。

加えて、体内に吸収されてしまった余分なタートラジンも、塗布から48時間以内に尿となって体外に排出されることが確認されました。

またタートラジンの塗布によってわずかな炎症こそ見られたものの、それ以外は健康に悪影響もありませんでした。

この結果を踏まえて、タートラジンによる透明化は安全かつ簡単な方法として、医療目的に利用できると結論されています。

こちらは人体にタートラジンを塗った場合のシミュレーション映像です。

その一方で、この方法が私たちヒトにも応用できるかどうかは実証されていません。

そもそも私たちの皮膚はマウスの皮膚よりも数倍厚いため、タートラジンが皮膚の深層まで吸収されにくいと予想されます。

またタートラジンの塗布量も必然的に多くなりますが、それに伴う害悪はないのかどうかも確かめなければなりません。

しかしこれらの点がクリアになり、人体にも応用できると実証されれば、体内の様子を安全かつ安価に見る方法として医療界に革命を起こすと期待されています。

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解剖せずに体内が見える!塗るだけで「マウスの透明化」に成功! (2/2)のコメント

ゲスト

個人的にこの発見はすごく興味をそそられる
医療の分野で使われたならレントゲンを使う機会がかなり減少するだろうね
骨折や臓器の炎症、ガンなど早期発見の可能性があがりそう
続報に期待してます。

ゲスト

これがあるとメス入れるには適さない場所の手術や腫瘍を見るのに役に立つのかな

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