現代に蘇ったモーツァルトの「失われた楽曲」
実際に音源を聴く前に、楽曲の内容を簡単に見ておきます。
この曲は2つのバイオリンとチェロで演奏される弦楽三重奏曲として書かれていました。
7つの短い楽章からなり、演奏時間は全部で約12分と短いです。
曲のタイトルは「ガンツ・クライネ・ナハトムジーク(Ganz kleine Nachtmusik)」と呼ばれており、ケッヘル番号は「KV 648」として正式に収録されています。
そして現代の演奏家たちによって蘇った曲がこちらです。
(※ 音量に注意してご視聴ください)
最初の演奏は先週19日(木曜日)にモーツァルトの故郷であるオーストリア・ザルツブルグで行われ、21日(土曜日)にはドイツ・ライプツィヒ歌劇場でも演奏されました。
そして24日(火曜日)には、日本国内で初となる演奏が東京で披露されています。
ライジンガー氏によると、初期のモーツァルト作品は主に、鍵盤作品やオペラのアリア(オペラの中で1人で歌われる独唱曲)、より壮大な交響曲(オーケストラによって演奏される多楽章の大規模な楽曲)が中心として知られていたため、このような弦楽三重奏からなる室内用の小品は非常に珍しい、とのことです。
そのため、モーツァルトが自らのスタイルを確立する以前の音楽を聴ける点でとても貴重であるとライジンガー氏は指摘します。
しかし10歳前後でこのような音楽を生み出せるなんて、やはり「神童」と呼ぶしかありませんね。