なぜマンモスは絶滅してしまったのか?
彼らが絶滅した時期の推定値には幅がありますが、だいたい約400万年前から最終氷期の終わりにあたる約1万年前まで生息していたと考えられています。
最古のマンモスは北アフリカにて生まれましたが、そこからヨーロッパを北上してシベリアやさらに東の北アメリカ大陸へと移動。
その中で寒冷地に適応した毛がフサフサの「ケナガマンモス (学名:Mammuthus primigenius)」などが誕生しました。
地球上のほとんどの生息地では1万年前までに大半の種が姿を消していますが、ロシア北東部の離島であるウランゲリ島では、約4000年前まで少数のマンモス個体が生き残っていたとされています。
マンモスを絶滅させた2つのシナリオ
マンモスの絶滅原因についてはこれまでに数多くの研究報告がなされていますが、いまだに議論の決着はついておらず、専門家の間でも意見が割れています。
しかしその中でも特に有力な説は、おおよそ2つのシナリオにまとめられます。
1つは「気候変動」です。
約7万〜1万年前の最終氷期まで生き残っていたマンモスは、寒冷な気候に適応した生態となっていました。
ところが最終氷期の終わりに急激な温暖化が始まり、地球の平均気温は約10℃も上がったといわれています。
その結果、それまで暮らしていた環境の植生がガラリと変わり、餌となる資源が消えました。
こうした凄まじい環境の変化にマンモスの進化がついていけず、徐々に個体数を減らしていったのです。
もう1つは「人類による狩猟」です。
ホモ・サピエンス(現生人類)は約20〜30万年前に誕生し、約6〜7万年前に生まれ故郷であるアフリカを出て、世界中へと広がっていきました。
最終氷期の終わりまでにはシベリヤや北アメリカにも達しており、大型動物を狩るための鋭利で頑丈な石器も発明しています。
これまでの考古学調査でも、石器によって狩られたと見られるマンモスの遺体がいくつも見つかっており、人類が積極的にマンモスの狩りをしていたことがわかっています。
マンモスは1回の出産につき1頭の子供しか産まなかったため、狩猟の圧力に非常に脆弱な生き物でした。
そして人類が繁殖不能になるまでマンモスを狩り尽くしたことで、種の絶滅に至ったと考えられています。
これら2つはマンモスが絶滅したシナリオとして最も有名なものです。
しかし研究チームは今回、まったく別角度の大胆な新説を提唱しました。
それが「マンモスは花粉症が原因で絶滅した」というものです。