変装は他者を欺くのに有効なのか
眼鏡をかけたり、帽子を被るなど、変装をすることで、どれくらい周りの人を欺けるのでしょうか。
多くの人は変装で他者を欺けるのはアニメや漫画の話で、現実世界では「こんな簡単に人を騙せないはず」と思ったことがあるのではないでしょうか。
たしかに現実世界では、アニメなどのようにゴムマスクで他人の顔を完全に作るというのはかなり難しいでしょう。
しかし、私たちは日常生活の中で、相手の顔の特徴だけでなく、服装や表情などのさまざまな要素をもとにその人のアイデンティティを認識しているものです。
実際逃亡犯や有名人は、変装によって正体を上手く隠して生活しています。
では、私たちはどの程度変装を見抜くことができるのか試してみましょう。
上記の写真は同一人物でしょうか、別人でしょうか。
髪型をはじめ、髪の色、眼鏡の有無、表情が大きく異なりますが、2枚の写真の被写体は同一人物です。
実際、このように人を欺くのに変装が効果的なのかを調べた研究があります。
それはヨーク大学のロブ・ジェンキンス氏らの研究です。
彼らは、変装あり・なしの写真を用意するため、まず被写体となる参加者26名を集めました。
参加者には普段の写真、自分っぽくない変装をした写真と別の誰かになりきる変装をした写真を提出してもらっています。
変装は、頭の形や目、鼻、口が隠れないように、帽子やスカーフ、マスクなどの小道具の使用を禁止していました。
そして、別で雇った大学生30名に、上記のような2枚の写真を提示し、同一人物か別人か見抜けるかを検討しています。
さて、変装はどれくらいの割合で見抜くことができたのでしょうか。