代謝を高める「朝食」の力
「どんな物を食べるか」という選択は、私たちの健康に大きな影響を与えます。
バランスの取れた食事は、体が必要とする栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維など)を適切に供給し、体を形作り、免疫力を強化します。
一方で偏った食事や過剰な摂取は、肥満や生活習慣病(糖尿病、心臓病、がんなど)のリスクを高めます。
ついつい食べ過ぎてしまい、「最近、体脂肪が増えてきたからダイエットしたい」なんて感じる人も少なくないでしょう。
ここで落とし穴となりやすいのが、「朝食を抜く」という考えです。
朝食を抜くとエネルギーが不足し、仕事の活動量やパフォーマンスが低下したり、筋肉量の減少、基礎代謝の低下を起こしたりします。
「痩せにくい体」へと変化してしまうのです。
また朝食を抜くことで血糖値も不安定になり、昼食や夕食で過食しやすくなります。
つまり、健康的に体重を減らしたいなら、1日の総摂取カロリーを気にしつつ、朝食を取るようにすべきなのです。
では、朝にはどんな物を食べるべきでしょうか。
簡単に言うと、「バランスの良い食事」が大切です。
しかし、アボ氏ら研究チームは、既存の研究報告を調べた時に、「女性の身体に関する研究データが、男性の身体に関する研究データよりも少ない」ことを発見しました。
「朝食に何を食べるべきか」という疑問に対する答えは、男性の身体の反応を元に語られていることが多いのです。
そこで彼らは、新しい研究で「男性と女性における代謝の性差」に着目し、ダイエットしたい男性と女性が、それぞれ朝食にどんな物を食べるべきか調べることにしました。