繊細さんは会社にプラスの作用を与える
HSPが他の人々に比べてストレスを感じやすいことは、主に児童や大学生を対象とした研究ですでに示唆されてきました。
しかし一方で、会社で働く社会人を対象とした同様の調査はありません。
そこで大阪大学国際教育交流センターは今回、日本国内の企業に勤務している18〜81歳の社会人296名を対象に調査を実施し、HSP特性と職場でのストレスの関係を調べることに。
その結果、まず、調査参加者の約26%が「HSP特性の高い社会人」に当てはまることがわかりました。
そしてHSPの特性が高い社会人ほど、「周囲に疎外されている」と感じやすく、ストレスを感じやすい傾向があることが示されたのです。
やはりHSP傾向が強いと、会社内のさまざまな出来事に敏感に反応して、ストレスを抱きやすくなると考えられます。
ところがその一方で、HSPの特性が高い社会人ほど、同僚など他の人への共感能力も高いしことが示されたのです。
研究者はこれを受けて、「HSPは同僚の気持ちを思いやって共感できるため、『自分の気持ちをわかってもらいたい』という人々の欲求を満たし、周囲と協力して仕事を進めることができる」と指摘。
それを踏まえて「HSPは企業にとってポジティブな存在となる可能性が高い」と説明しました。
つまり、繊細さん(HSP)は何かとストレスを抱えやすいというマイナス面こそあるものの、周りの仕事仲間の目には「私のことを理解してくれる優しい人」と映っているのかもしれません。