タコの隠れ場所「岩」「砂浜」「サンゴ礁」「蛸壺」「ココナッツの殻」
タコは海底にある岩の隙間を自分の巣穴とすることがよくあります。
またサンゴ礁に生息するワモンダコ(学名:Octopus cyanea)などは、サンゴ礁の複雑な地形を利用し、その隙間に身を隠します。
さらに、一時的な避難場所として砂浜に潜ったり、貝類や甲殻類が形成する穴を巣穴にしたりするタコも存在します。
そういえば昨日調査中にタコをみつけたので捕まえて観察していたら、鮮やかに砂に潜る技を見せつけてくれました。こんな技もあったとは!タコスゴイ! pic.twitter.com/RcnWd8bDuM
— オイカワ丸 (@oikawamaru) October 17, 2020
Xで話題になっている動画は、こうした場面をピックアップしたものでしょう。
そして、このように「タコが巣穴に隠れる習性」を利用したものが、マダコ漁業に用いられる「蛸壺」です。
たとえ人工物であっても、捕食者から身を隠せる場所であれば、タコは喜んで活用するのです。
また特殊な例ですが、オーストラリアのメルボルン博物館の2009年の研究によると、ココナッツの殻を巣にするタコも発見されています。
このタコは、ボウル状のココナッツの殻を持ち運んでおり、度々、その殻を自分の上に被せ、隠れ家として使用していたのです。
偶然、その光景を目にしたビクトリア博物館のジュリアン・フィン氏は、「非常に滑稽な光景でした。水中であれほど笑ったことはありません」とコメントしています。
柔らかく防御能力が低いタコが、自分の身を守るために様々な地形やアイテムを活用する姿は、時に私たちを驚かせ、時に私たちを笑わせてくれます。