他者への親切は自分にも返ってくるのか?
利他的行動とは、他者に利益をもたらすことを目的とした自主的な行動を指します。
これには「困っている人を助ける」「資源を分け与える」「人を慰める」「協力する」「礼儀正しく接する」といった行為が含まれます。
利他的行動は進化的な根拠を持っており、周囲の人々に優しくすることが人類集団の生存と結束を高めてきたのです。
これらは他者との信頼を築き、不和や対立を減少させ、個人や集団間で調和の取れた関係を促進します。

「親切さ(Niceness)」は利他的行動の一種であり、他者を温かく友好的に扱い、その幸福を保証し、思いやりと協力的な関係を育むことと定義されます。
例えば、「他人に笑顔を向ける」「穏やかに接する」「優しい言葉をかける」「感謝の気持ちを伝える」などの親切な行為は、お金など一切使うことなく、他者の気分を向上させる有益なコミュニケーションとなります。
一方で、親切さは他者の気分をよくすると同時に、自分と相手との調和的な人間関係が育まれるため、親切にした人自身の健康にも有益になっていることが予想されます。
そこでシナン・オクル(Sinan Okur)氏ら研究チームは、トルコ在住の一般人を対象に、親切さと抑うつ症状および主観的な幸福度との関連性を調べることにしました。