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昆虫の触角をもったドローンが進化 / Credit:照月大悟(信州大学)_照月大悟准教授ら、進化した次世代匂い追跡ドローンを開発し、昆虫の技術を駆使した世界最高性能モデルが新記録を樹立!(2025)
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【昆虫の触角をドローンに融合】匂いを追跡する次世代ドローンが進化 (2/2)

2025.02.21 11:30:55 Friday

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進化したバイオハイブリッドドローンは探索範囲が2倍以上に

最新の研究で開発されたバイオハイブリッドドローンも、生きたカイコガの触角をセンサーとして利用しています。

今回の研究では、特に2つの改良が加えられました。

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昆虫の触角をもったドローンが進化 / Credit:照月大悟(信州大学)_照月大悟准教授ら、進化した次世代匂い追跡ドローンを開発し、昆虫の技術を駆使した世界最高性能モデルが新記録を樹立!(2025)

まず、「触角を覆う専用カバー」を開発しました。

カイコガは、羽ばたきによって気流をコントロールし、匂いが含まれる気流を自身の触角に選択的に誘導します。

一方でドローンは、プロペラ飛行による対称的な流れが発生するため、匂いの方向を判断するのは簡単ではありません。

そこで、専用カバーが役立ちます。

これを装着することにより、ドローンが飛行中に受ける気流の影響を抑え、匂いの方向をより正確に検出できるようになりました。

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ホバリングしながらの回転と直進を繰り返す新アルゴリズムを導入 / Credit:照月大悟(信州大学)_照月大悟准教授ら、進化した次世代匂い追跡ドローンを開発し、昆虫の技術を駆使した世界最高性能モデルが新記録を樹立!(2025)

次に、「戦略的に動きを停止する探索アルゴリズムを採用しました。

昆虫は、匂いを探す際に動き続けることはなく、「停止」することが分かっています。

ロボットによる探索では、このポイントが見落とされがちでした。

そこで新しいドローンには、自然界で観察される昆虫の動きをヒントに、一時停止(ホバリング)しながら回転する動作と、一定距離を直進する動作を交互に繰り返すアルゴリズムを開発・導入しました。

回転中にスキャンした匂い情報(匂いセンサの値とドローンの角度)を計算することで、匂い源の方向を推定して、その方向に直進するのです。

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5m離れた匂い源を追跡できる / Credit:照月大悟(信州大学)_照月大悟准教授ら、進化した次世代匂い追跡ドローンを開発し、昆虫の技術を駆使した世界最高性能モデルが新記録を樹立!(2025)

そして、このように進化したバイオハイブリッドドローンは、探索範囲が従来の2mから5mへと飛躍的に向上しました。

この結果は、小型ドローンによる匂い探索の世界記録です。

この技術が発展すれば、災害救助だけでなく、ガス漏れの検知や麻薬・爆発物の探索など、幅広い応用が可能になるでしょう。

しかし、実用化にはまだ課題も残されています。

例えば、触角の耐久性が低いため、長期間の使用には工夫が必要です。

今後、これらの課題を克服し、実用化が進めば、匂いを頼りに空を飛ぶレスキュードローンが活躍することになるかもしれません。

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