筋トレが「腸内環境」を変える?
腸には、私たちの体を健康に保つ数兆個の微生物が住んでいます。
これらは細菌、真菌、ウイルスなど多種多様で、その多くは大腸に存在し、消化を助けたり、栄養やビタミンの吸収をサポートしたりしています。
この腸内細菌叢(マイクロバイオーム)は、最近の研究で「心身の健康」にも深く関わっていることがわかってきました。
うつや不安症、肥満や糖尿病など、実に多くの病気と関連があるのです。
しかし、その構成は食事や生活習慣、年齢、睡眠などさまざまな要因で変化します。
では「運動」にはどんな影響があるのでしょうか?
この疑問に挑んだのが、ドイツ・テュービンゲン大学の研究チームです。
研究では、普段運動をしていない150人を集め、週に2~3回、8週間にわたってレジスタンストレーニング(筋トレ)を行ってもらいました。
トレーニング内容はチェストプレスや腹筋、レッグカール、背筋など全身を鍛えるもので、軽いウェイトで回数を多くこなすグループと、重いウェイトで少ない回数を行うグループに分かれて実施されました。
トレーニング開始前、4週目、8週目に便サンプルを提出してもらい、腸内細菌の変化を詳細に調査。
その結果、「筋トレを始める前」と「8週間後」では、腸内細菌の種類や割合に明らかな変化が現れていました。