「うつ」症状はゾクゾクする音「ASMR」で解消できる可能性

ネット上でよく見かけるASMR動画が、新しい精神安定の救世主になるかもしれません。

当時39歳だったイギリス在住のエマ・スミスさんは、8年前、交通事故の「PTSD」により、不安症状で精神を病んでしまいました。

不安の「緩和剤」を探し求め彼女が最終的にたどり着いたのは、なんと 「Youtube」 。それも、ただ「女性がささやく」だけの動画です。

その動画は近年流行している、いわゆる「ASMR（Autonomous Sensory Meridian Response）」動画です。ASMRとは、聴覚などへの刺激により「ゾワゾワ」と感じる心地のいい感覚を指します。

そのセンセーショナルな刺激に感動したスミスさんは、自ら「ASMRユーチューバー」となることを決意。彼女のチャンネル「WhispersRed ASMR」 の登録者数は、今では50万人を超えています。

試しに下の動画で、彼女の「ささやき」に癒やされてみてください。

ASMRで「ゾクゾク」を感じられるトリガーは、人によって異なります。

「ささやき音」は、スウォンジー大学が2015年の研究にがおいて分類した、9つあるトリガーの内の1つとされています。その研究では、475人の参加者のうち82%がASMRは入眠時に効果的と答え、70%がストレス解消になると答えています。

さらに、シェフィールド大学の研究者らによる最新の研究では、ASMRが心を穏やかにしてくれるだけでなく、心拍数を低下させる働きを持っていることが示されました。

ASMRは、人の注意を「不安」からそらし、他の心地よい「何か」に集中させることで効果を得ていると考えられます。つまり、何かに集中して心を満たす「マインドフルネス瞑想」と同様のものなのです。

スミスさんはまた、ASMRの不安を取り除く効果を、医師も認めていることを明かしています。このように、今やかなりの市民権を得てきたASMRですが、前述したように、その「トリガー」は個人によって異なります。

まだASMRの素晴らしい効果を実感したことがない人は、自分のトリガーについて理解していない可能性があります。

過去を振り返ってみて、特定の音に心地の良さを感じた記憶はありませんか？

もしその経験があるとすれば、それがあなたのトリガーかもしれません。

むしろ寝ないほうがいい？うつ症状は徹夜すると改善するという研究