最新のナノ技術が「情報空間と物理空間をつなぐ」

今回の研究では、「複合現実」を実証しました。
複合現実とは、VR技術の派生技術であり、現実の物理空間とコンピュータ上の情報空間を物理的につなぐ技術のことです。
情報空間から物理空間に干渉でき、同時に物理空間で起きたことが情報空間に反映されることで、両空間の境目がなくなったように感じられます。
従来のナノツールは、物質的な物をあらかじめ用意して作業する必要がありました。
しかし今回の成果では、コンピュータ上のデータから直接力場を呈示することによって、何もない空間にバーチャルな物体やツールを出現させることを可能にしたのです。
研究チームによると、この技術をさらに発展させることで、ナノ物質に情報空間を重ね合わせる「分子・コンピュータ・インターフェース」を生み出すことができるかもしれません。
コンピュータ上から微粒子を集合させる力場を制御し、何もない空間にナノ構造体を・生成・消去することさえ可能になるかもしれないのです。