何もしていない時、心はどこへ向かうのか?
これまで心理学では、神経症傾向の高さは「ストレスへの反応の強さ」で説明されることが多くありました。
つまり、嫌な出来事が起きたときに強く不安や落ち込みを感じる人ほど、この傾向が高いと考えられていたのです。
しかしこの説明には、どうしても解けない疑問がありました。
それは「特に何も起きていないのに、なぜ不安になるのか」という点です。
この問題に対し、研究者たちは視点を大きく変えました。
外からの刺激ではなく、何もしていないときに人の心がどこへ向かうのかに注目したのです。
そこで実施されたのが、「あえて何もしない実験」です。
参加者は静かな部屋で一人、黒い画面を見つめるだけの時間を過ごします。
やるべき作業は一切ありません。
ただし、完全にぼんやりするのではなく、自分の思考や感情を観察するよう求められます。
その後、参加者は自分が何を考えていたのかを報告しました。
第1実験では「自分のこと」「人間関係」「良いこと」「問題」などを評価し、第2実験ではさらに「目標」や「不確実性」について考えていた時間も調べました。
あわせて、そのときの気分が快いものだったか、不快なものだったかも記録しています。
また、参加者は事前に質問紙で神経症傾向を測定されています。
つまり、神経症傾向の高低によって、報告される思考内容にどんな違いがあるかを比べられる設計になっているのです。
その結果、神経症傾向が高い人ほど、「問題」や「不確実性」について考える時間が長く、逆に「良いこと」や「目標」について考える時間が短い傾向が見られました。
また、思考の内容と気分の間にも明確な関係がありました。
良いことや目標を考えているときは快い気分と結びつきやすく、問題や不確実性について考えているときは不快な気分と結びつきやすかったのです。
より詳細な結果は、次項で見ていきましょう。


























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