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暴力は遺伝子に刻まれ、孫まで続く / Credit:Canva
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暴力の記憶は遺伝子に刻まれる?戦争や虐待の影響は孫まで続くと判明

2025.03.10 11:30:21 Monday

戦争、虐待、犯罪——これらの暴力的な体験が人生に深い傷を残すことは、誰もが知るところです。

しかし、最新の研究によると、この影響は単に個人の記憶や精神的な傷にとどまらず、遺伝子レベルで世代を超えて受け継がれる可能性があることが分かりました。

アメリカのフロリダ大学(University of Florida)の研究チームがこの衝撃的な発見を発表しました。

研究によれば、暴力的な体験がエピジェネティック(遺伝子の発現調節)な変化を引き起こし、それが子供や孫の世代にまで影響を与える可能性があるというのです。

この研究の詳細は、2025年2月27日付の『Scientific Reports』誌に掲載されています。

Violence Leaves Its Mark on Our Genes For Generations, Study Finds https://www.sciencealert.com/violence-leaves-its-mark-on-our-genes-for-generations-study-finds Violence alters human genes for generations, researchers discover https://www.eurekalert.org/news-releases/1074863
Epigenetic signatures of intergenerational exposure to violence in three generations of Syrian refugees https://doi.org/10.1038/s41598-025-89818-z

暴力による影響は遺伝するのか

今回の研究の鍵となるのは、「エピジェネティクス」と呼ばれる分野です。

これはDNAの塩基配列そのものではなく、DNAの化学的な修飾によって遺伝子の発現が変化する現象を指します。

たとえば、ストレスや栄養状態によって特定の遺伝子がオン・オフされることが知られています。

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暴力を受けると遺伝子が変化する / Credit:Canva

過去の研究では、戦争を経験した兵士や虐待を受けた子供のDNAに、ストレス応答に関わる遺伝子のメチル化(DNAの化学修飾)が見られることが確認されています。

今回のフロリダ大学の研究では、どのような条件下でこのエピジェネティックな変化が起こるのか、またそれが世代を超えてどのように引き継がれるのかを詳しく調べました。

研究チームは、戦争や暴力を経験した人々の血液サンプルを採取し、DNAのメチル化パターンを解析しました。

3世代にわたるシリア人48家族から採取したDNAを分析したのです。

これらの家族には、1980年と2011年に生じたシリア内戦を経験した人々、また妊婦が含まれていました。

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