自然の見える病室だと回復が早くなる?

自然に触れることに「気持ちが落ち着く」「リラックスできる」といった効果があることは、これまでの研究でも示されてきました。
例えば、1984年の研究では、窓から木々が見える病室に入院した患者は、レンガの壁しか見えない患者に比べて、鎮痛剤の使用量が少なく、回復も早かったことが報告されているのです。
このような研究から、自然の風景がストレスを和らげ、痛みを軽減する可能性が指摘されてきました。
しかし、これまでの研究は主観的な報告に頼るものが多く、「本当に脳の活動が変化しているのか?」という科学的な証拠は十分ではありません。
そこで今回の研究では、自然の風景を見ることが脳の痛みの処理にどのような影響を与えるのかをより具体的に明らかにしようとしました。